【試合後コメント】名波 浩監督 第9節 長野戦 ※無料配信

――まずは試合の総括を。

総括の前に、この信州ダービーをこれだけ盛り上げていただいて、AC長野パルセイロの関係者とサポーターの皆さま、松本山雅のサポーターのみんな、そしてメディアのこの2週間の盛り上げに非常に感謝しています。13,000人以上の観客が入るという(信州ダービー)史上初のチャレンジだったと思いますが、選手たちはそこまで緊張感たっぷりで入っているわけではなく、普段通りのパフォーマンスを出そうと必死にもがきながらの90分だったのではないかと。両チームの選手たちが球際、対人のところで全身全霊でやっていたと思いますし、両クラブが今後飛躍的に伸びるだけの要素が凝縮された90分だったと感じます。

ゲームの総括としては、パルセイロがそこまで出てこなかったので、自陣からのビルドアップが容易にできました。ギャップでの顔出しで特に安東、菊井のところで前を向けるシーンが多くて、カウンターも含めて小気味良く前に推進力を持てたと思っています。トータル的に見て、お互いのプレッシングエリアやセカンドボールの予測・反応という意味では、互角以上のゲームができたと自負しています。ただ、前節の北九州戦ほど(勝ち点)2を失ったゲームではなくて、3ポイントが欲しかったですが、0-0が妥当の結果だと今現在は感じています。

後半はもう少し前がかりに、もしくは(ペナルティー)ボックス周りでもうひとアイデア、もうひと手間かけるシーンを作りたかったですが、ボランチの押し上げも含めて推進力を持てたシーンと諦めたシーンがあって、決定的なシーンがなかなかできませんでした。枠内シュートを増やそうというハーフタイムでの送り出しの中で、(足を)振ってほしいというシーンでラストパスをしたり、外に逃げてしまったりしていたので、もっとゴールに向かわないといけなかったと思います。

逆に守備陣は4バックから3バックに変えても、大きな破綻は下川サイドで1本深いエリアに入られてマイナスに折り返されたシーンだけ。あとはセットプレーでの山本(大貴)のヘディングシュート。90分を通してこの2シーンくらいしかなかったと思うので、非常に充実しています。ゼロが公式戦405分続いているのは自信になりますし、スタッフもまた良い肉付けができるのではないかと思っています。(きょうは)そこまで打たれていないと思うので、4バックだろうが3バックだろうが評価できるところだと思います。

(約)13,000人が入って、ハリセン、手拍子、太鼓の音が響く非常に良い環境のスタジアムでした。選手同士のコミュニケーションがなかなか難しい90分でしたが、ビクトル、常田、大野をはじめ、後ろの選手たちの声。それからパウリーニョ、安東の前の選手たちへの伝言ゲームが非常にできていたと思うので、あまりテクニカルエリアから選手たちに大げさに伝えなくても、選手たちは敏感にやってくれました。またリーグ戦は1週空くので少しリセットしますが、公式戦の負けなしも7試合続いていますし、そういったモチベーションはすべて継続できればいいと思います。

――前半はこれまでと比べても、非常に良い内容だったと思いますが。

奪った後のファーストプレーの質と、一つ飛ばすパスを意識しようという中では、住永(翔)の脇というのは十分に意識して立ち位置を取っていたと思います。(横山)歩夢がダイナミックに動き出したときにタイミングよくボールが入れば、それがどれだけ相手にとって脅威かというのは、改めて相手チームの選手は感じたはずです。そういった攻撃の連続性や、相手が無理にクリアしたり繋げない中でセカンドボールを拾って、厚みのある攻撃という連続性も生まれたと思っています。

――北九州戦から得点が取れない試合が続いていますが、攻撃のクオリティについてはどう感じていますか?

上位にいるチームが大量得点で勝つ試合があったりして、得点数が伸びてきています。攻守一体のバランスとしては、上位にいるためにはゴール数も非常に重要なポイントだと思っています。ただ、野球のバッティングと一緒で、水もの的なところもあって、こればかりは積み重ねるしかないです。シュートやラストパス、クロスのトレーニングは毎週のように続けたいと思っています。

――4バックもハマりは悪くなかったように見えましたが、その中でも後半に橋内選手を入れて3バックにした理由は?

安東とパウリーニョの帰陣が遅くなってきたり、前半は確定するようなエリアでセカンドボールを回収しているシーンが何度もあったので、少し疲労も見えてきました。相手が山本の投入によって2トップ気味になって、デュークが左にいるという形への対策が一つ。そして攻撃に入ったときに宮阪(政樹)をつり出してほしいという意味では、2トップが良かったのか、1トップ2シャドーが良かったのか。途中から形を変えましたが、パウリーニョのケガもあってそこまでうまく長い時間はできませんでした。ただ、いろいろなアイデアを出しながらという意味では、選手たちは良くやってくれたと思います。

――長野は3バックで入ってきましたが、それについても驚きなく対応できていたように思います。

僕自身も他のJ3の試合で3バックで入ったりしていました。ただ、きょう(の長野)は変形のようだったので、それに対してどう対応できるかと思いましたが、順応できたと思います。システムというところだけを取れば、我々に分があったと。これだけ可変で毎日のように練習してきて、途中でああしろ、こうしろというのを選手たちが従順にやってくれています。自分たちがオンの多い攻撃だろうが、オフが多くなる守備だろうが、しっかりと自分の正しい立ち位置を取ろうと努力している結果が、あまりあたふたしない要因になったと思っています。

――J1さながらの雰囲気の中での試合でしたが、それについてはどうでしょうか?

すごく感動的なゲームの入りとゲーム中の雰囲気だったと思います。ボールデッドをしている時に、担架を運ぶパルセイロユースの子たちに「ここでやりたいだろ」「努力しよう」と伝えたりしながら、私もこの選手たちが羨ましいというふうに言いました。昨日の(J1)のゲームで15,000人を上回るゲームは数試合しかなくて、1万人を切るゲームもあったので、そういう意味ではJ1の雰囲気を醸し出してくれた両サポーターと関係者の皆さまには頭が下がる思いです。それに選手たちがしっかりと負けたくない、勝ちたいという思いのもとで呼応したと思っています。

――試合後に選手たちに伝えたことは?

ゼロが続いているのを継続しようということと、被シュート数も少ないので、それも自分たちのストロングだということ。ただ、点が取れなかった理由を自分たちで見つめ直そうということ。途中で入った選手たちが、出て行く前に私が伝えたことや、パウリーニョがケガをして途中で変えたことを従順にできていたか。そうではなかったシーンが多かったということも言いました。きょうは全選手を連れてきましたが、ケガ人が出たかもしれないので、また競争が始まります。自分がどのポジションを与えられても100%のパフォーマンスで応えられるように、競争意識を持ってやっていこうと伝えて締めました。