【試合後コメント】名波 浩監督 天皇杯2回戦 磐田戦 ※無料配信

――まずは試合の総括を。

ゲームとしては、立ち上がりに田中パウロのプレゼントゴールが決まって勇気をもらったはずだったのに、相手の圧力、前への推進力、セカンドボールもしくはセカンドボールのセカンドボールの回収率で圧倒されてしまって、どんどん後ろに重くなってしまったと。そこで同じ形のような失点が2回続いてしまって、自信を失ってしまったところが全てだったと思います。1-0でいければ最高でしたが、70分で相手は落ちたので、そこまで同点もしくは我々がアドバンテージを持った状況でゲームを進められれば良かったというのが率直な感想です。

相手との差というのは、前選択の中で相手選手のどんどん湧き出てくるような前サポート、それに対して逆サイドがしっかりとゴール前に入ってくるフィニッシュまでの描き、それからイメージの共有。そういうものは磐田のほうが圧倒していたのではないかと思います。分析の中ではだいぶ時間も作れるし、プレッシャーもハーフライン以降から来るのではないかと思っていましたが、(磐田の)フレッシュな選手たちが自分たちでやったのか。黒川(淳史)がサイドに張っているのも自分で考えてやったのか。袴田(裕太郎)と森岡(陸)があれだけ前に出てくることも、自分で考えてやったのか。それはわからないですが、我々の分析を遥かに上回った磐田のパフォーマンスだったと思います。5点取られたことは真摯に受け止めながらやりたいですし、カテゴリーが2つ上の相手に2点取れたというところも実数ではあります。これからも攻撃的にやっていかないと、J2昇格は夢のまた夢だと思うので、そういう意味でも2点取れたのは良かったと思っています。

――ヤマハスタジアムは3年ぶりの試合となりました。当時とは逆サイドのベンチに立って見えた光景はいかがでしたか?

ミッドウィークのカップ戦なのに、山雅のサポーターがたくさん来てくれたというのが一つです。人数では圧倒されている中でも、太鼓と手拍子が鳴り止まなかった回数は圧倒的に山雅のほうが多かったと思うので、やはり我々の背中が押されるなと思います。そんな中でこういう結果になってしまって、申し訳なく思っています。リーグ戦から中2日で、どうしてもメンバーを変えないといけない。(次のリーグ戦)鳥取戦も昼間の試合なので、リーグ戦のメンバーをなかなか連れてくることができなかったです。連れていきたい選手も何人か置いてきたりしているので、少し残念ですが、謙虚に選手たちはやったと思います。しっかりと学んで、次以降のゲームに生かしてくれると思います。

――古巣との対戦ということは意識していましたか?

試合に入ってしまえばそういう意識はあまりないですが、試合前に交友を深めるという意味では、昔に一緒にやった選手たちが何人かいたり、小野(勝)社長と話をさせてもらったり。もちろん就任した当初の高比良(慶朗)社長、木村(稔)社長もいない限りは、このクラブ(磐田)での仕事には就けなかったと思います。20年以上携わったクラブとしては、思いが強いです。社員の方も選手たちもスタッフも暖かく迎えて入れてくれて、気持ちよくプレーして、気持ちよく負けたという感じです。