【試合後コメント】名波 浩監督 第22節 讃岐戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

まずは7,000人以上のお客さんが、声出し応援が可能なゲームの中で、ウォーミングアップ中から選手のチャントと手拍子で盛大に応援してくれました。彼ら彼女らがもたらした3ポイントだと思います。なぜなら選手は正直きょうのパフォーマンスであれば昇格なんて遠い夢だと思うからです。

相手のプレッシングパワーが前半20分、それから後半15〜20分くらいで落ちてくるという中で、特に後半は我々も一緒に落ちてしまって、奪った後の質が悪かったりセカンドボールの予測が全くなかったり。ボランチエリアを含めて少しストレスを抱えてしまいました。相手の松本(孝平)と青戸(翔)に対して、3バックがセカンドボールで前にアプローチに行かないといけないシーンが増えて、そこでボランチのケアがなかったので、アディショナルタイムも含めて30分くらいは苦労してしまったと思います。

攻撃のところでなぜこれだけうまくいかなかったかというと、一つはシンプルな最終ラインの背後への動き出しというのがある中でもボールが出てこなかったり、質が悪くて単発で終わってしまったりというシーンが一つ。それからいい形で下川にしても外山にしても前カットができたシーンは、グッとチームとして前のめりになれましたが、そういったシーンが残り25〜30分は皆無だったというところ。それからボールを動かさないといけない人間、ボールサイドに顔を出さないといけない人間がこねてリズムを崩して、チームとして攻撃の形を作れなかったところ。最後は選手交代の後の時間帯から、我々の意図をすべて壊したところだと思います。

采配で言えば使ったのは私なので、今後その選手たちがチャンスを得られるかどうかは、ここからの練習にかかっていると思います。こんな3ポイントで喜んでいるようではお客さんにも失礼ですし、皆さんにも失礼です。「昇格なんて遠い夢」と先ほど言いましたが、それも選手に伝えて今ここにいます。

――前節・北九州戦に続いて連勝となりましたが、無失点で守り切れたことよりも、2点目を取れなかったことに目を向けないといけないでしょうか?

僕は、攻撃的な選手なのであれば、ボランチよりも前でプレーしているのであれば、試合が終わった後にGKやディフェンス陣に土下座するぞということを選手たちに今言ってきました。それくらいきょうのゲームの前線の選手の重み、責任というのはのしかかるゲームだったと思います。3ポイントを取って良しとするのではなく、我々はそれ以上を求めてトレーニングしてきています。対戦相手の分析も含めて、自分たちがそこで良さを出すのも含めてやっていこうという中で、特に残りの30分で何もできなかったというのは本当に悔しいゲームになったと思います。

――北九州戦で出ていた推進力や迫力が出せなかったのは、どのような要因がありますか?

一つはサポーターの応援でテンションが上がってしまったのか、普段よりシンプルさに欠けました。「いいところを出そう」「いいプレーをしよう」「相手の裏をもっとかこう」という色気が出たことによって、チームのリズムがガタガタ崩れてしまいました。後ろの人間はよくストレスを抱えずに最後まで耐えしのいだと思いますし、我慢強くやっていこうという前節のゲームから、その我慢強さが(ペナルティ)ボックス内、ボックス近辺でよく出たゲームになったと思います。

――中山選手や榎本選手を投入したタイミングも含めて、本来であれば後半はどのようにゲームを進めたかったのでしょうか?

ルカオがポストプレーで踏ん張れなくなってきたという時間帯。菊井が色気を出して2回ミスをした時間帯。交代は当たり前だと私自身は認識しています。チームの一つの駒になれなかった人間に対して新しい駒を使って違うボールの動き、人の連動を生み出したかったですが、それがうまくいかなかったというのが率直な感想です。

――加入直後の中山選手についてはいかがでしょうか?

ワンタッチ、ツータッチで動かすという練習でできていることが、色気が生まれてしまってそうはいかなかったです。きょうがデビュー戦なら何も文句は言わないですが、プロで何試合かやって、昨年も富山に移籍して、自分の中でいろいろなものを抱えながらやっているのに、あのプレーはどうなのかというのが感想です。

――横山選手はU-19日本代表から帰ってきて変わったことはありますか?

あるとしたら、彼の自信が上積みされたことが非常に大きいと思います。前節、前々節と5本シュートを打っているところでいくと、J2リーグの小川航基が33試合で90何本シュートを打っていて、シュート数がダントツ。それは横山にも最初の6〜7試合で点を取っているときに、シュート数をまず伸ばせと。そうすればおのずとゴール数が増えたり、ボックス内で危険だという数が増えていきます。シュートが0か1のゲームは5試合くらいしかないと思うので、もっとその数を増やして、0とか1の数字を減らしてくれればいいと思います。チームの中で点を取るとかチャンスメイクするのが彼のタスクだと思うので、より強い信念をもって全うしてほしいです。

――次節もホームで声出し応援がありますが、期待はいかがですか?

サポーターが手拍子とか拳を突き上げるような躍動感ある応援スタイルを、声とともにゲーム前から出してくれていました。きょうは後押しを受けてプレーできるという中で3ポイントを取ったとはいえ、こういうゲームをしまった反省は大いに生かさないといけないです。きょうは3ポイントを取らせてもらったゲームだと思うので、次はしっかりと我々がその応援をパワーに変えて、3ポイントをプレゼントできるように、連勝の数を増やしてビッグウェーブを長く続けられるようにやっていきたいです。