【試合後コメント】名波 浩監督 第26節 YS横浜戦 ※無料配信

――まずは試合の総括をお願いします。

拍手をしてもらうに値するゲームでは全くなかったです。YS横浜が最高のパフォーマンスをして、我々が最低のパフォーマンスをした。それに尽きると思います。いわき、鹿児島、藤枝、富山、今治…このあたりの選手、関係者、サポーターの皆さんがほくそ笑んでいるのが目に浮かぶので、また残りの8試合でリセットして、気持ちを切り替えてやっていくしかないと思います。

――きのう鹿児島が敗れたのは承知の上だったと思いますが、チャレンジャーという気持ちが薄れてしまったようにも見えました。

今週アタマから油断、慢心、怠慢の排除を徹底して、ゲーム前にもサポーターが掲げている「俺らは常に挑戦者」という言葉を(ホワイトボードに)書いて、謙虚さを持って戦おうというのはチームとしてしっかりと意思統一できていたとは思います。間違いなくYS横浜が今季一番のハイパフォーマンスだったと思うので、難しいゲームになったのはそうですが、自分たちが今週にやってきたこと、今まで積み上げてきたことが、やはりどこかで色気を出したり、シンプルさに欠けたり。特に僕自身が頭を抱えているシーンが20〜30回あったとしたら、全てがそうだったと思いますし、「そんなことは(練習で)やっていないから」というシーンが多々ありました。なぜそういうことが起きたかというのはまた映像を見ながら分析しなければいけないですが、先制されたことによってのメンタル的なビハインドが(YS横浜の)アドバンテージになってしまったと思います。

――立ち上がりはチャンスも作れていて、先制点が取れていれば違っていたと思います。それでも後半の45分が残っている中で、どう追いついてひっくり返すというプランを描いていましたか?

望んでいない展開でいくと、立ち上がりのチャンスを生かせなかった中で、相手が少し余裕を持ってボールを回して、技術的な差というのもはっきりと出たと思います。YS横浜の選手たちのボールワークでだいぶ後手を踏んでしまったところが一つと、あとは必要のないファウルが増えてしまって自分たちがリズムを作れなかったというところも感じています。

――前半はチャンスがあった分、「いずれ取れるだろう」という油断もあったのでしょうか?

終わってすぐなので、選手たちには「それ(油断)はなかっただろう」と言いましたが、ミドルシュートを打たなくていいところで打ってしまって、打たないといけないところでシュートを打たないというシーンが前半は特にあったと思います。クロスに対してルカオ1枚、(小松)蓮1枚というシーンも何回かあって、ボックス内に2列目の菊井と中山、もしくはウイングバックが入っていくようなシーンもだいぶ減っていたと思います。きのうの鳥取を見てもそうですが、下位グループが先制したゲームというのは、メンタルを強く持てるチームが多いと思うので、そういうゲームにしてしまったのは自分たちだと思います。

――後半は攻撃で急ぎたい選手とそうでない選手、守備でプレスに行きたい選手とそうでない選手と、全体の統一感が欠けていたような印象はありました。

急ぐという表現は違うと思いますが、前選択を怠った選手は多々いると思います。シンプルにラスト5分のときに入れないといけないところをこねて切り返してとか、後ろで横パスを繋いでいる間にパスコースを全部消されてしまってロストして、というシーンなど。そんなシーンは正直見たくなかったですし、だからこそ拍手に値するゲームではなかったと思います。

――きょうの試合から得られたものはありますか

難しい質問ですし、終わってすぐなので選手たちも間違いなくネガティブに動揺していると思います。チームを前向きに立て直さないといけないですし、まずはメンタルの回復と体力の回復。それから1週間で作り上げたチーム、対戦相手を分析した中でのチームという意味では、もっとそれに寄せないといけないと思います。それで勝ってきたチームというのをもっと自覚してやらないといけないですし、やらせないといけないと思います。

――ロッカールームで選手たちに伝えたことは

強い口調で言ったことはほとんどなく、自分の心を鎮めるのも大事なので、このゲームは大いに反省するし、スッキリと忘れられるゲームにしたいなと。ここから48時間くらいは非常に重要だと思います。