【試合後コメント】名波 浩監督 第28節 藤枝戦 ※無料配信
――まずは試合の総括をお願いします。
プラン通りゲームが進んで、90分間我慢比べのゲームになりました。我々のペースに引き込めたゲームだと思いますし、普段藤枝がやっているようなパスサッカーを封印させるような守備。それから小気味よくはなかったですが、単発感が多少ありながらもカウンターが効果的だったのではないかと思います。
セカンドボールが拾えていた立ち上がり20分、それから終了間際の10分くらいは自分たちの時間帯で、あとはほぼ五分五分の展開。もちろんボールを握るのは藤枝のほうがそういうスタイルでやっているので得意だと思いますが、我々の良い守備に対して手を焼いた選手とエリアはたくさんあったのではないかと。
最後に決め切るという意味では、枠内シュートがシュートブロック等で防がれた中で、最後に(横山)歩夢が右足でループシュートを打ったあの1本だけだったと思います。あとはほとんど手前でブロックされたり、枠外だったり。手元(の集計)は13本でしたが、そのうちの1本ということで、まだまだ(ペナルティ)ボックス周りの精度が悪いですし、逆に藤枝の決勝ゴールは渡邉(りょう)が落ち着いてシュートと見せかけたキックフェイントから左に流して、榎本(啓吾)の落ち着いたシュート。シュートチャンスがあまりない中でも2人とも落ち着いていて、素晴らしいゴールだったと思います。
最後は我々のほうに当たって相手選手にこぼれたという意味では運がなかったですが、その運を呼び込めなかったのは自分の責任だと思うので、強く責任を感じます。このゲームにかける思いというのは立ち上がりから選手たち、サポーター、会社の人間とみんな出ていたと思うので、そのゲームでしっかりとした結果を出せなかったのは残念です。
――藤枝に自分たちのサッカーをやらせなかったのは、どういう狙いが功を奏したのでしょうか?
相手が差したいエリアを未然、もしくは直前に消す意識を醸し出したと思うので、勝負球、キワのところでギャップに刺されなかったと。レーンで言えば両アウトサイドが一番個ではがせるエリアだと思いますが、そこを外山にしても下川にしても早いアプローチ、それから2人目の藤枝のサポートよりも早い守備のサポート。そこが見えたことによって、個の突破を諦めてのバックパスが何度かあったと思います。
――残り6試合で2位鹿児島と勝ち点差が5になりました。次節に向けて選手たちにどうアプローチしていきたいですか?
完全にうなだれていたので、とりあえず顔を上げろと。自分たちの目標をもう一回見つめ直そうと。ここでバラバラになってはいけないし、このミーティングが終わった1秒後から次に向けての準備をしないといけないと強く選手たちに伝えました。3位も18位も一緒ですし、ストレートインする1位と2位しか目標にないので、相当厳しい数字ですがそこに向かっていかないといけないです。その目標がないシーズンになったらモチベーション自体も下がってしまうので、そこは週明けも強く訴えてやっていきたいと思います。
――小松選手を先発起用した狙いと働きぶりについてはいかがですか?
きょうは非常に躍動感があったと思いますし、状況判断も非常に良かったと。願わくばジャッジでファウルを取ってくれそうなポストプレーのシーンが何度かあったので、そこで起点ができればもう少し自分たちが前に押し込めたと思います。それにしても(横山)歩夢のことを良く考えていたと思いますし、カズ(佐藤)とキク(菊井)の2列目との距離感も守備のときに大切にしてくれていたのではないかと。最後は疲れていたので代えました。
――勝ち点3を取るためには得点が必要ですが、どうアプローチしていきたいですか?
愚直にシュート練習をしながら、枠内シュートを目指さないといけないと思います。それからより深い、よく確実なエリアに入っていくのも一つの手立てだと思います。ただ相手あってのことですし、シーズン終盤で疲労の蓄積等、どのクラブもコンディションに若干のばらつきがあると思うので、90分を通して攻撃的にというのは難しいと思いますが、自分たちの時間を見極めて、クロスとラストプレーの質も含めてフィニッシュの精度を上げていかないといけないです。