【試合後コメント】第34節 相模原戦(1)※無料配信
田中 隼磨(DF)
――ご自身にとって最後の試合でした。どんな思いでピッチに入りましたか?
山雅のエンブレムをつけて、マツさん(松田直樹)の3番をつけてプレーするのはこれが最後なんだ、今できる自分の生き様をこのアルウィンで見せるんだ。この試合に絶対に勝つんだ。そういう思いでグラウンドに立ちました。
――引退を発表してから4日間をどのように過ごしましたか?
これだけきょうという日が来てほしくないという時間はありませんでした。先日の宮崎戦が終わった後に決断して、毎日のトレーニングだったり、毎日のプロサッカー選手として過ごせる最後の時間を1分1秒噛み締めながら過ごしていました。
――ベンチにいるときはどんな気持ちでいましたか?
自分たちはこの1年不甲斐ない結果でした。試合前にも円陣で言いましたが、正々堂々と戦って、審判にも相手にも文句を言うなと。山雅の流儀を見せろと。僕自身も仲間と同じ思いで戦いましたし、最後のこの山雅の意地を見せろという思いを伝えて、なんとか最後に点を取って勝つことができて本当に良かったです。
――限られた時間の出場でしたが、周囲に声をかけている姿が印象的でした。
僕が入るときは0-0で、勝たなければいけない状況でした。僕が入ることによって(サンプロ)アルウィンの雰囲気を変えて、選手の思いを変えて、この試合は勝たないといけないというメッセージで名波さんも送り出してくれたと思います。それをファンやサポーターが受け取って、選手も受け取って、ああいうゴールに繋がって本当に良かったです。
――ご自身のクロスが得点に繋がりました。
残念ながら左足でしかキックはできなかったですが、選手もそれをみんな理解してくれていました。だからこそあのゴールに繋がったと思います。
――ご自身のチャントが響き渡りました。どんな気持ちでしたか?
もうこのチャントを聴くことができない。もうユニフォームを着て皆さんの声援を受けることができない。そう思うとずっと聴いていたかったですし、本当にみんなの思いを受け止めていました。
――途中出場の際にはキャプテンマークも受け取りました。
キャプテンマークを巻いていようが、そうではない時でも僕の姿勢は変わりません。このチームに来て、山雅の流儀を教えてもらいました。そして僕もその流儀を伝えようと思って伝えました。それでこうやってきょうは勝つことができて、少しはみんなに伝わっているのかなというふうに思っています。
――きょうも多くのサポーターが駆けつけました。最後に一言お願いします。
今季はこんな情けないシーズンになってしまったにもかかわらず、雨の中でも僕たちのために声をからして応援してくれたファンやサポーター、皆さんの支えがあってここまでサッカーをすることができました。最後は自分が生まれ育った街でみんなに応援されて、地元のクラブ、この松本山雅FCで引退できることをうれしく、本当に誇りに思います。本当にありがとうございました。
外山 凌(MF)
――最後の最後に得点が生まれて勝利できました。試合を振り返っていかがですか?
個人的にはなかなか前半も良い形でボールを触れなかったり、クロスのところでボールを受けられなかったり。きょうはそういう日なのかなと思って、そういうときは自分の特徴であるクロスとかドリブルではなくて、ゴール前に入っていくことを意識していました。何回か入っていた中でチャンスは来ると思っていて、最後にハユさん(田中隼磨)が入ったときに絶対クロスが上がってくると思ったので、アシストに繋がって良かったです。
――その前から左サイドを抜けてクロスを入れるシーンがあったと思いますが、何か変えようと意識していましたか?
後半のクロスはセットプレー以外はほぼ自分の狙い通りに蹴れていました。入り方がもう少し良ければ入っていたと思うので、自分のクロスの精度は上がっていると思います。そういうところでいかに味方にボールを運んでもらうのか、どう受けてもらうのかが大事だと思うので、自分の課題を見つめ直して来季に繋げていきたいです。
――2位・藤枝との勝ち点差は1でした。この数字はどう受け止めていますか?
その1で人生が変わるというか、クラブとしても大きな差が出るというところでした。長いシーズンの中でどの試合も落とせないですし、勝ち点0を1、1を3に持ってくる試合が必要です。そういう意識の積み重ねが最後に出ると思うので、僕らはそこが甘かったと改めて思いました。
住田 将(MF)
――きょうはスタメンでしたが、どのように送り出されましたか?
いつも通り落ち着いてというところと、ボールに多く関わるところは言われました。昇格という目標は厳しい状況ではありましたが、最後にサポーターへの感謝の気持ちもそうですし、ハユさん(田中隼磨)の引退が発表されて、何としても勝利が欲しかったです。あとはチーム全体として1年間積み上げてきたものを出そうという意識を統一して入ったので、自分も1年間積み上げてきたものを出さないといけないと思っていました。ハユさんを笑顔で送り出したいという気持ちがあったので、それをピッチの上で体現できるようにと意識しました。
――今季はプロ初ゴールなどもありましたが、振り返っていかがですか?
個人としては、年間を通して継続できなかったところにまだまだ未熟さを感じます。課題に対して向き合いながら意識はしてきましたが、まだまだ改善しないといけないところがたくさんありますし、きょうもそれを感じる試合でした。
日々の練習からもう1回というところ。本当に大事な試合で自分が出て落としてきたのも何試合かありますし、もっと数字にこだわって、チームを勝利に導けるようなプレーを体現していかなければいけないです。昇格が懸かった終盤戦で試合に出られないということは、まだまだ足りない部分が多くあるということだと実感しました。そういう大切な試合で使ってもらえるように、もう一度自分が何をしなければいけないかを考えて積み上げていきたいです。
――応援してくれたファン・サポーターの皆さんにメッセージをお願いします。
年間を通してたくさんの方が応援に来てくださって、途中から声出し応援もピッチの中で感じることができて、本当に圧倒されるというか。毎回鳥肌が立つ素晴らしい雰囲気の中でプレーできたことに感謝しています。そういう後押しがある中で昇格という目標が達成できなかったことが、すごく申し訳なく思っています。
アウェイでもホームのような雰囲気を作ってくれて、間違いなく選手たちの力になっていました。その試合が初めて見にくる人もいるかもしれないですし、そういう人たちにまた来たいと思ってもらったり、1週間笑顔で過ごせるようにと考えると、もっとやらないといけないと思います。そういう姿を来シーズンこそピッチでもっと見せられるように頑張りたいと思います。年間を通して熱い応援を送ってくださってありがとうございました。
野々村 鷹人(DF)
――久々の先発でしたが、どんな気持ちで試合に入りましたか?
現実的には難しい状況でしたがJ2に昇格したい気持ちはありましたし、ハユさん(田中隼磨)の引退ということもあって、名波さんも消化試合ではないと話していました。シーズンを通して多くのサポーターに会場に足を運んでいただいて感謝していますし、その方々のためにも勝って終わるのがプロとしての役目だと思っていました。難しい試合ではありましたが、ゼロで抑えられたことは良かったです。
――左サイドで前にパスをつけたり、どうにか崩そうという意識が見られました。
(外山)凌くんと常にコミュニケーションを取りながら、凌くんが内に入ったら自分が高い位置に入ったりしていました。名波さんから高い位置を取りすぎないように言われていたので、少し低い位置で受けて、ルカオだったり(横山)歩夢が(ペナルティ)ボックス脇を取ろうとしているのが見えていました。そこばかりになりすぎているところもあって、菊井とかも良いポジションを取っていたと思うので、そこももう少し使えれば良かったです。
――プロ2年目を振り返っていかがですか?
去年よりも試合に出た回数は少なかったですし、シーズンの最初は出られないことが多かったですが、くさらずにやり続けて最後にこういう形でピッチに立てたことは成長したと思います。こういうことはこの先も絶対に大事になってくると思うので、自分たちが目標にしていたJ2昇格ができなかったのが悔しいので、来年は絶対に取れるようにと強く思います。来季に向けて良い準備をしたいです。