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【キャンプレポート】J3鹿児島と練習試合 成果と課題が浮き彫り ※一部無料
第2次鹿児島キャンプ第7日は9日、J3鹿児島とのトレーニングマッチを鹿児島県内で行った。連日の練習で疲労がピークに近い中でも、どれだけのパフォーマンスを出せるかーーが主眼の一つ。その観点からすれば一定の成果はあったものの失点が多く、早川監督も厳しい表情を浮かべた。
まずは失点。トータルの本数や時間などの詳細が伏せられた状態での「5」という数字はインパクトがある。
この試合ではメンバーを色分けし、主力と推測される側はビルドアップのミスから2失点。自陣のサイドから中につけようとしたボールを奪われてのショートカウンターだった。
「ボールがそういう状況になってしまうこと自体が問題。そこはこちらがしっかりと修正・改善していく」と早川監督は指摘する。
相手がコンパクトなブロックを敷いていたのも一因で、「なかなか前に入れられずずっと後ろで回していて、結局それが失点に繋がってしまった」と分析した。
しかしハーフタイムを経てそれは改善された。
最終ラインをブレイクしたり、サイドに人数をかけて攻略したり。ゴール前に厚みを持たせてネットを揺らしたかったが、その部分は持ち越しとなった。得点は2点ともセットプレー。菊井の右足がお膳立てした。
そのほか、切り替えは試合ごとに定着していることも示した。
相手陣内まで持ち運んでからボールロストしても、前線や中盤などで鋭く奪回。そこから押し込み続けるフェーズが続いた。マイボールのスローインを間髪入れずにリスタートする場面も目立った。
そのほかの失点はCK、PKなど。残り1点は松村の地をはうようなサイドチェンジから生まれた。
早川監督と選手3人(菊井、野々村、安永)のコメントをお届けする。
早川 知伸監督
――率直に試合を振り返っていかがですか?
自分たちがキャンプでやってきたことがゲームの中でどれくらい出せるかが一番でした。向こうも同じようにハードワークして、切り替えを速くやっている中で、そこで上回ることができていないと認識しています。ベースの部分も含めてもう少しやっていかないといけないと思っています。
細かな部分で言えば、もう少し自分たちが攻撃でゴールまで行きたいですけど、シュートも少ない。正直、もう少し入っていけると思っていたので、そこは甘かったところではあります。
守備は自分たちがもう少し組んで、奪えるシーンが出てくると思っていました。向こうが公式戦を意識して勝つ確率を上げてくるやり方だろうと想定していたものの、思いのほか良い形でボールが取れなかった。前線で起点を作られてしまった。そこは反省点です。
――攻撃では具体的にどのような部分が課題と感じましたか?
一番はビルドアップ。プログレッションで相手陣地に入っていくのがスムーズにできなかったのが要因だと思います。
もちろんそこだけにフォーカスしているわけではないですけど、最終的には相手の最終ラインを突破していきたい。そのために自分たちがどうするか。
なかなか前に動かせなくて、ずっと後ろで回している。それが失点に繋がっていました。
選手たちにはハーフタイムにも話しましたけど、自分たちが何をしたいのか。攻撃をしたいわけですけど、チャンスになったのは背後に入れたり、裏返したときでした。
そこも持ち合わせないといけないですけど、どうしても相手があまり来ないし、自分たちがボールを持てているので、のらりくらりとなってしまう。
そもそも自分たちがどこを目指すのかと言えば、最終ラインを越えていくこと。そこにずっとフォーカスしていただけに、急に自分たちがボールを持てたりすると、「前に行けなくても…」となってしまう。そこは課題ではあります。
――受け手というよりは、出し手の問題が大きいのでしょうか?
出し手が一番です。2本目は少し修正できて、前にボールが入るだけで前向きに入っていけるし、それによってシュートも1〜2本しか打たれていません。
ハーフラインを越えていければ、前の動き出すタイミングとか、誰がどう動くかはより変わってきます。
――選手は疲労も感じていましたが、それも含めてのトレーニングというイメージでしょうか?
もちろんです。今日初めて90分やったメンバーも何人かいるし、ここから開幕に向けてコンディションを整えていきたいと思います。そこはもちろん想定内ですけど、とはいえ…というところです。
――途中からはセットプレーに持ち込むまでの過程もいい攻撃ができていたと思いますが、その回数をより増やしていきたいところでしょうか?
回数は少ないです。良い形ではがしていけたシーンもあったものの、それをどう増やしていくのか。やっぱり相手を動かさないといけないので、自分たちが動くこともそうだし、ボールを動かして相手を動かすことも含めてです。
特に今日は鹿児島の土俵でずっとやっていて、相手がしっかりブロックを崩さない中で、自分たちは一生懸命綺麗に崩そうとしていました。
それも90分のゲームと考えたら、ブロックを崩していくことを考えないといけません。ハーフタイムにも伝えましたが、相手をどう崩すのか。そこを整理しただけで少し変わった部分もあります。
ハーフタイムに伝えただけで改善できたのはポジティブではあるし、選手たちが愚直にやってくれる中で、自分たちがどうサポートしてあげられるかもあると思います。
――コンパクトに構える相手に対してトップ下の選手がボールを受けるのは、簡単ではないように思います。
相手のブロックが動かないと、やっぱり(中にパスを)差せないです。ではどう使っていくかという話にもなってくるので、そこは想定内ですが課題でもあります。
――ビルドアップのミスからの失点については、どのように改善していきたいですか?
ハーフタイムにも言いましたけど、ああいうミスは絶対にあり得ないという話をしました。フィードバックでもそういう話はしていますけど、それでも起きるわけです。ボールがそこに行ってしまうこと自体が問題。そこはこちらがしっかりと修正、改善しないといけないと思います。
取られる場所とか方向。外から内へのパスは危ないわけで、そこはしっかりジャッジすることをもう一度やらないといけないです。ダメなものはダメとしっかり言わないといけないし、それは選手もわかっていると思います。 こっちも口酸っぱく言わないといけないし、しっかり示さないと同じことを繰り返してしまいます。伝えていかないといけません。